自動で車を洗ってくれる洗車機は、定期的な洗車を無理なく続けるために非常に便利な設備です。洗車場やガソリンスタンドなどに設置されており、誰でも手軽に利用できる点も大きな魅力です。
とはいえ、初めて利用する方のなかには、「使い方がよくわからない」「一人で操作するのが不安」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、洗車機は使い方を覚えれば、簡単に利用できるようになります。
本記事では、初めての方でも安心して利用できるように、洗車機の基本的な使い方をわかりやすく解説します。さらに、洗車機を利用できない車種や利用時の注意点についてもあわせて紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
自動で車をきれいに!洗車機の使い方をチェック
洗車機とは、車を所定の位置に停車させ、水を掛けるところからはじまり、洗剤を塗布、ブラシによる洗浄後に水ですすぎを行い、最後に乾燥を自動で行ってくれる設備です。手洗いと比較して洗車の手間を大幅に減らせるため、忙しいドライバーを中心に多くの方に利用されています。
洗車機には、「ドライブスルー方式」や「GO&BACK方式」などいくつかの種類がありますが、基本的な使用方法はどのタイプも大きくは変わりません。ただし、操作の細かな流れや注意点は洗車機によって異なるため、まずは利用する店舗の案内表示や注意看板をしっかり確認しましょう。
なお、ガソリンスタンドでは店舗スタッフが常駐していることも多く、洗車機の使い方が分からない場合は丁寧に洗車機の利用方法を教えてくれる場合もあるので、初めての方や操作に不安がある方も安心して利用可能です。
次から一般的なドライブスルー方式の洗車機使用手順について、具体的に解説していきます。
関連記事:洗車のやり方は?洗車機の基本的な使い方や安全かつ車をキレイにするためのポイントを解説
事前準備|予備洗浄や装備品確認
洗車機を使用する前には、予備洗浄や装備品の確認といった事前準備を行いましょう。事前準備を行うことにより、より車をキレイにすることが可能となります。
予備洗浄
洗車の事前準備として、まず予備洗浄を行います。
というのも、装備品(フェンダーミラーやスポイラーなど)が付いた車は、洗車機が安全性の観点から装備品を避けて洗浄するため、予備洗浄で汚れを落としておく必要があります。また、泥や砂が付着している状態でそのまま洗車すると、車体に傷がつく恐れがあるため、あらかじめ汚れを落とすことで洗車の仕上がりが向上します。
予備洗浄スペースにはバケツやスポンジ、ブラシが設置されていることがあるため、それらの道具を使って車体の泥・砂汚れを除去しましょう。装備品以外にも、バンパー下部やナンバープレート周辺、タイヤ・ホイールなども重点的に洗うと効果的です。
ただし、備え付けの道具は汚れている場合もあるため、使用前に道具がキレイか確認し、必要に応じて自分で用意した道具を使うのも良いでしょう。泥や砂の汚れが少ない場合は、予備洗浄の工程は省略も可能ですので、車の汚れに応じて実施してみてください。
装備品の確認
アンテナは収納するか畳み、ルーフキャリアなどの突起物がある場合は、洗車機の使用可否を事前に確認しましょう。
洗車機付近には「利用可能な車種・サイズ」「注意事項」が記載された注意看板が設置されているので、自分の車両が洗車可能であるのかを含めて、必ず目を通しておくことが大切です。
洗車メニューの選択と支払い
洗車の準備が整ったら、車を洗車受付機の前まで移動させ、画面の案内に従って洗車メニューやオプション、装備品の選択を行います。
洗車メニューは複数用意されており、たとえば以下のような選択肢があります。
洗車メニュー例
- 水洗い洗車(水洗いのみ)
- シャンプー洗車(水洗い+洗浄剤)
- ワックス洗車(シャンプー+ワックス塗布)
- 撥水コート洗車(シャンプー+コーティング剤塗布) など
さらに、以下のようなオプション機能も追加可能です。希望の仕上がりに応じて選択すると良いでしょう。
オプション例
- 高圧ジェット(砂埃・泥汚れなどを高圧水で洗浄)
- 泡洗車(たっぷりの泡で汚れを浮かせて洗浄を行う)
- 下部洗浄(車の下回りを高圧水で洗浄)
- タイヤ洗浄(専用ブラシでタイヤとホイール周辺の汚れを除去)など
また、受付画面には「装備品選択」が表示されます。車に以下のような装備がある場合は、該当項目にチェックを入れましょう。
装備品選択の例
- フェンダーポール
- フロントガード
- 折りたためないドアミラー
- ルーフキャリア
- リアワイパー
- リアミラー など
メニューやオプション、装備品選択後は支払いに進みますが、洗車機によっては5千円札・1万円札が使えない場合も多く、あらかじめ小銭や千円札を用意しておくと安心です。また昨今では、キャッシュレス決済(クレジット・QR決済など)も普及しているため、事前に決済方法を調べておくと良いでしょう。
洗車
支払いが完了すると洗車機のゲートが上がり、進入できるようになります。地面に洗車可能車両幅を示したガイドパイプに沿ってゆっくりと前進し、停止サイン(「停止・STOP」表示や赤ランプ)が点灯したら車を停車させます。また、指定の位置よりも進入しすぎた場合は(「後退・BACK」表示や黄色ランプ)が点灯するため、指示に従って、焦らず正しい停車位置に車を停めましょう。
車を停止させたら、以下の操作や確認を行います。
- 窓をすべて閉める
- ドアミラーをたたむ
- アンテナを畳む(手動式アンテナの場合、受付前に実施)
- シフトレバーをパーキングに入れ、エンジンを停止させる
自動で洗車がスタートするので、車を正しい位置に停止させた後は、絶対に車外に降りないようにし、洗車完了まで車内で待機します。
車体の拭き上げ
洗車が完了すると「前進」や「退出」のサインが表示されるので、周囲の安全を確認しつつ、洗車機からゆっくりと退出し、拭き上げスペースへ移動しましょう。
水シミ防止のため、水滴が乾いてしまう前に車体をタオルで拭き上げます。店舗によってはタオルが貸し出されており、「ボディ用」「ホイール用」など用途別に分けていることがあるため、表示に従って使い分けましょう。
特に以下の箇所は水が残りやすいため、忘れずに拭くのがポイントです。
- ドアの隙間
- サイドミラー裏
- フロントグリル
- リアハッチまわり など
細かい水が残りやすい細部についてはタオルが届かず、水滴を除去するのは困難です。そういった場合はブロー機(風圧で水を飛ばす機器)を利用すると仕上がりが良くなります。ブロー機が設置されている仕上げ場を事前に調べたうえで、ご利用をしてみてください。
また、車内清掃用の掃除機が設置されている店舗では、シート下やフロアマットのゴミを吸い取ることもできます。利用後は、タオルや掃除用具を所定の場所に片付け、次の利用者に配慮することを心がけましょう。
関連記事:「洗車場の掃除機はどうやって使う?効率的な作業方法やマナーも解説
洗車機を使うメリット

洗車機には、手洗いにはないさまざまな利点があります。ここでは3つのメリットについて解説します。
短時間で洗車が可能
洗車機の魅力は、洗車にかかる時間を大幅に短縮できる点です。手洗いの場合、準備から洗車、片付けまで60分以上かかることもありますが、洗車機ならメニューにもよりますが5〜10分程度で完了します。
撥水コートやワックスを含むメニューを選んでも、10分前後で仕上がることが多く、忙しい方でもすき間時間で洗車を済ませることができます。
洗車後の拭き取り作業を含めても、トータルで非常に効率的に作業を終えられるのが大きなメリットです。
料金が安い
洗車機は1回数百円から利用可能で、コストパフォーマンスに優れているのもメリットです。
例えば、水洗いのみのシンプルなメニューであれば500円程度、撥水コートやコーティングを加えたメニューでも1,000〜3,000円前後で利用できます。また、専門店の洗車サービスに依頼すると高額になりがちですが、洗車機なら手軽に、しかも安価に車をキレイにできます。
「とりあえず汚れをサッと落としたい」「毎回プロに頼むほどではない」という方にとって、非常にコスパが良い選択肢といえるでしょう。
メニューやオプションをカスタマイズ可能
洗車機はメニューやオプションをカスタマイズできるのも魅力のひとつです。
「簡単に汚れを落としたい」「撥水を掛けたい」「コーティングをメンテナンスしたい」など、目的や車両の状態によってメニューを選択。
続いて、「ホイールをキレイにしたい」「下回りを洗いたい」など、車両の汚れ状況に応じてオプションメニューも選択でき、自由にメニューをカスタマイズできます。従って、愛車の状態やニーズに合わせたオーダーメイド感覚の洗車が可能になります。
洗車機を使うデメリット
洗車機にはメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。ここでは、2つのデメリットについて解説します。
細部に汚れが残る場合がある
洗車機は、車全体を短時間で効率よく洗浄できる反面、ブラシが届きづらい細かい部分まで完全に洗いきれないことがあります。
例えば、ドアミラーのすき間やリアスポイラー付近など、ブラシが届きにくい箇所には汚れが残ってしまうことがあります。そのため、細部まで完璧に仕上げたい方には物足りなさを感じる場合があるかもしれません。
気になる箇所がある場合は、事前に予備洗浄することで、よりキレイに仕上げることができます。
傷がつくリスクはゼロではない
近年の洗車機のブラシは、柔らかいスポンジ素材や布ブラシが採用されるなど、ボディへのダメージを抑える設計が進んでいます。しかし、車体に傷がつくリスクをゼロにすることはできません。
特に注意が必要なのは、車体に付着した砂埃やしつこい泥汚れです。砂埃や泥がブラシに付着し塗装面をこすると、細かい傷がつく可能性があります。これは手洗いでも同様で、乾いた状態で強くこすったり、洗浄するスポンジやタオルなどに砂埃や泥が付着していたりする場合も同様に塗装面を傷つける原因になります。
そのため、洗車機を使用する前に予備洗浄の機器が設置してある洗車場では、あらかじめ予備洗浄で砂埃や泥汚れを洗い流しておくことをおすすめします。また、予備洗浄ができない場合は洗車機のオプションコース(泡・高圧洗浄など)を選択すると良いでしょう。
洗車機を使ううえでのよくある質問
洗車機の利用に関して、多くの方が気になる疑問をまとめました。事前に確認しておくことで、トラブルの回避や仕上がりの向上につながります。
洗車機を利用できないケースがある?
車両のサイズや車種によっては洗車機を利用できないケースがあります。
洗車機には必ず「高さ」・「幅」・「長さ」の制限が設けられており、これを超える車は利用できません。詳しくは利用する洗車場の受付機横に設置されている注意看板をご確認ください。
例えば、弊社のドライブスルー洗車機「雅(MIYABI)」の場合、以下の制限を設定しております。
ドライブスルー洗車機「雅」のサイズ制限(例)
- 高さ:2,315mm以下
- 車幅:2,310mm以下
- 全長:5,200mm以下
制限を超えた車を無理に洗車すると、車や洗車機の破損につながり、非常に危険です。
また、外車は洗車機の構造に合わず非対応となっていることも多く、手洗いを推奨される場合もあります。一部の国産車でも対応不可の車種が存在するため、利用前に必ず注意看板に記載してある内容と車両の取扱説明書を照らし合わせ、洗車機が利用可能な車種かどうかを確認するようにしましょう。
洗車機の使い方の注意点は?
洗車機を安全に使用するには、いくつかの基本的な注意点を守ることが大切です。
洗車機を利用するうえでの注意点
- 装備品選択は正確に行うこと(誤ると破損の原因に)
- 洗車中はエンジンを停止する(洗車稼働中に車が動くと車両や洗車機の破損の原因となる)
- 洗車中は車内から出ない(巻き込みなどの事故防止)
これらの注意を守らないと、車の破損や事故、最悪の場合は損害賠償のトラブルに発展する可能性もあります。利用の際は、洗車機の案内表示やスタッフの指示に従い、正しい手順で利用しましょう。
洗車機は傷がつく?
洗車機のブラシは、現在ではスポンジや布など柔らかい素材が使われており、以前に比べてボディへのダメージは大幅に軽減されています。そのため、ブラシが直接あたって傷がつくことはほとんどありません。
ただし、車体に付着した砂埃や泥がブラシと一緒にこすられると、細かな傷がつく可能性はあります。これを防ぐためには、洗車前に水で汚れを流す「予備洗浄」を行うことが有効です。
関連記事:洗車機の使用で車は傷つかないって本当?洗車機の最新技術と事前準備で優しく洗浄しよう」
洗車機の使い方に慣れよう
洗車機は、短時間かつ低コストで車をキレイにできる便利な設備です。事前準備や注意点をしっかり押さえれば、初心者でも安心して利用できます。
まずは洗車の基本的な流れを理解し、何度か利用して慣れていくことが大切です。ガソリンスタンドのような有人店舗では、洗車機の操作に詳しいスタッフが常駐しているため、操作方法やメニューの選び方がわからない場合は、スタッフに気軽に相談してみましょう。
また、洗車機の入庫がうまくできるか心配という初心者の方や、洗車機の圧迫感が苦手な方は、間口が広いタイプの洗車機がおすすめです。スペースにゆとりがあり、初心者でも落ち着いて利用できます。
なお、下記の弊社ホームページでは、ワイド型洗車機を検索できる機能を用意しています。ぜひ活用して、ご自身に合った洗車機を見つけてみましょう。
洗車機を通じて快適なカーライフをサポート

私たちタケウチビユーテー株式会社は、「洗車機を通じて世界に貢献する」という理念のもと、洗車機および洗浄機械の開発・製造・販売を手がけています。
1963年に世界初の移動式ブラシ付き門型自動洗車機を開発して以来、業界のパイオニアとして最新技術の研究・開発を続けてきました。
弊社の強み
- 洗車場とランドリーを併設した直営店舗「KOMACHI」を運営
- 業界最大級の進入間口を持つ洗車機「極美」を開発
弊社では、洗車機本体だけでなく、車内清掃用のクリーナーや乾燥用のブローなど、周辺機器も幅広く取り揃えています。洗車機の導入を検討されている方や、洗車場の運営をお考えの方は、ぜひタケウチビユーテー株式会社にご相談ください。弊社の豊富な経験と確かな技術で、お客様に最適なご提案をいたします。